◇【新刊のお知らせ】SB新書から『下流中年 一億総貧困化の行方』という中高年層の貧困化について取りあげた本を出しました。雨宮処凛さん、萱野稔人さんなど6人での共著です(2016年4月6日)

2011年6月29日水曜日

「ふたたび、ここから」/門脇小学校の子どもたちが校長先生に贈った「卒業証書」の全文

石巻市の「門脇小学校」というキーワードでこちらのブログにたどり着く人がちらほらいらっしゃるみたいなので、
「ふたたび、ここから」では、省略してしまった部分、
“もうひとつの卒業証書”の全文を掲載したいと思います。

R-00973月18日に予定されていた門脇小学校の卒業式は、東日本大震災の混乱により、行うことが出来ませんでした。

3月も終わりかけた頃、浸水・全焼してしまった校舎の校長室の耐火金庫から、燃えもせず、濡れもせず、奇跡的にキレイな状態の卒業証書が出てきました。

門脇小学校では、卒業式を約ひと月遅れで行うことができたのでした。

その日、卒業するのは6年生だけではありませんでした。3月で定年を迎えた鈴木洋子校長にとっても、教師生活からの卒業の日でした。


子どもたちが、鈴木校長に贈った卒業証書の全文と、校長からのお礼のあいさつ
(書き起こしのまま掲載)
(突然のサプライズにより、ボイスレコーダーのスイッチを慌てて入れる)

卒業生代表の髙梨陽介くん:
………れるとうかがいました。校長先生として、ぼくたちは最後の卒業生です。そこで、校長先生への感謝の気持ちを込めて、卒業証書をお渡しすることにしました。校長先生、中央にお願いします。

(保護者席から、すすり泣く声)

卒業証書
校長 鈴木洋子殿
校長先生は、ぼくたちに、大切なことをたくさん教えてくださいました。国語の授業でのペア学習での仕方や心に響く声の出し方を教えていただいたことが特に心に残っています。そしてぼくたちはががんばったときにくださった「マル」や黒板に書いてくださった「スペシャル ヨーコ ハナマル」も、印象に残っています。校長先生は、33年間の長い間で、たくさんの卒業生を見送ってきたことと思いますが、ぼくたちが最後の卒業生となりました。今回の震災で門脇小学校の校舎はなくなってしまいましたが、学んだことを決して忘れずこれからもがんばっていきます。これまで教えていただいたことに感謝の気持ちをこめて卒業証書を贈ります。
平成22年4月15日
平成22年度 門脇小学校 卒業生一同

(大きな拍手)

鈴木校長:
卒業生のみなさん、みなさんと一緒に、先生も教師生活を卒業することになりました。3年間でしたが、門脇小学校でみなさんと一緒に学べて、生活できて、とっても幸せだったな、と思います。最後に、このように素晴らしい卒業証書をいただいて、本当にうれしいです。ありがとう!

(大きな拍手)
(保護者席のすすり泣く声が大きくなる)

髙梨くん:
最後にぼくたちから歌を贈ります。

(仰げば尊し)

校長先生、いままでぼくたちを温かく育ててくださり、ありがとうございました!
(全員で一斉に)ありがとうございました!

(拍手)
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「ふたたび、ここから」にも、<スペシャル ヨーコ ハナマル>をいただきました!

2011年6月27日月曜日

「台風がやってきた」展 in 台湾 でみた、高雄の大規模土砂災害の映像

台湾の高雄に来ています。
「台風がやってきた」in 台湾 の訪問団に参加してます。

日本の各地の科学館でもこれまで展示されてきた、「台風がやってきた」展は、
水、光、気圧、コリオリ力、風、熱などの、台風に関係する現象を、
実演装置を使ってみせるもの。
大人でも「私にもやらせてッ」と言いたくなるほど、けっこうすごい装置群です。

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降ってくる雨粒を擬似的に見せる装置では、
コンパクトデジカメのマクロモードで、
あんパン型の水滴が簡単に撮れました。

これから、台湾全土3カ所を巡回するそうですが、
スタートは、高雄の台湾国立科学工芸博物館です。

ここ高雄は2009年8月に、山間部の小林村で台風8号による大規模な土砂災害があった所。
山が崩れて、4つの村を飲み込みました。
通訳さんによると、犠牲者500人がいまだに土砂の中だそうです。

「After the Storm」というコーナーで流された映像は、
災害発生直後に、水没し、土砂に埋まった町の中で、
人々が助け合って生きる姿。
あまりにも東日本大震災の光景と重なって見えました。

2011年6月24日金曜日

遠野:看板見つけた。完成がいつなのかわからない人口竜巻発電所

新エネルギーがにわかに注目されるきょうこの頃ですが、
陸前高田に向かう途中の、遠野付近で、
「人口竜巻発電所 建設予定地」の看板を発見。
地球温暖化完全防止って書いてありますよ。これって……。

遠野 人口竜巻発電建設予定地遠野 人口竜巻発電建設予定地

ブログ「鉄道に駅があるように道路にも駅があっていいじゃないか♪」さん
によりますと、
どうやら2006年からずーっと「建設予定」のままのようです。

看板の会社とは違うようなんですが、
同じ岩手県の「人口竜巻発電」というキーワードで出てきたサイトでは、
なんでも、温度差対流の遠心分離式であるもよう。

1番絞り(500℃差)、2番絞り(200℃の温度差)、
という2種類の装置。
……ビールみたいだ。

装置の大きさとか、仕様の概要は不明ですが、
温熱差のエネルギーで、(わざわざ)風を生み出して、
発電機の中は、どうなってるの?
もしかして、最後はタービンって仕掛け??
これって完成してるの?

ナゾだらけです。

発電所、完成するのかなぁ。
新エネルギー戦線参戦のチャンスなんだけどなぁ。


ともかく、トルネード(竜巻)の渦って、
ものを移動させるには、最も効率のよい状態だと思うんですよね。
だから、竜巻は強い、怖い。

トルネードパワーってすごいんですよ。
そういえば、サイクロン式掃除機はなぜトルネード式って命名しなかったんでしょうね。

リンク:YouTube ワオ!化学実験ナビ「おもしろ実験 ペットボトルトルネードを作ろう!

2011年6月21日火曜日

東北地方太平洋沖地震/被災地、東北地方が梅雨入り(6/21)

東北地方も、6/21に梅雨入りしました。

地盤沈下の激しかった地域の浸水だけでなく、
防潮堤や防波堤、堤防が破壊されてしまった沿岸部の、高潮や洪水、
内陸部の土砂災害など、地震の2次被害が心配されます。

また、仙台など、インフラ機能が回復した都市部でも、
地震による配管への影響や、防災設備の機能低下による内水氾濫などは、
今夏の心配事のひとつと言えるのではないでしょうか。


石巻では、以前から、湿度が高くなると魚町から漂ってくる「臭い」が
問題になっていたそうです。

「きょうはとくに臭い。あしたは雨だね」って、みなさんが言うんです。

今は、その臭いが、深刻さを増している。
この梅雨で、どうなってしまうんでしょうか……。


ラジオ石巻のキャスターさんは、
いつも色んな○○指数を読み上げていますが、
臭いと雨や湿度を指数化して放送した方が、
街の人ためになりそうな気がするなーと思う今日この頃です。

2011年6月20日月曜日

東北地方太平洋沖地震/被災地では日本気象協会監修の意外な本が売れていた

宮城県石巻市にある、ヤマト屋あけぼの店(TSUTAYA)には、
ほかのどんなベストセラーをも差し置いて、

日本気象協会(JWA)監修・編集の
「気象潮汐表 2011年 宮城県版」(390円)

がレジ横にありました。(許可を得て撮影しています)
店員さんが「すごい売れてます」って言ってました。

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沿岸部では、浸水被害がひどく、
大潮の時にはまるで水都のようになります。

水が上がっている間、基本的に外に出られなくなる。
子供たちは、ざぶざぶヒザまで浸かって下校。

万石町などでは、大きな津波被害を逃れたのに、大潮で車をダメにしてしまった人も多いようです。

「ササササーってくる。水の音は怖いよー」と、ひとり暮らしのお年寄りは言っていました。


気象庁のウェブでも、潮位予測(天文潮位)が見られます。
PDFでダウンロードも可能。

【宮城県/鮎川】
http://www.data.kishou.go.jp/db/tide/suisan/suisan.php?stn=AY
【岩手県/大船渡】
http://www.data.kishou.go.jp/db/tide/suisan/suisan.php?stn=OF
【岩手県/宮古】
http://www.data.kishou.go.jp/db/tide/suisan/suisan.php?stn=MY

2011年6月19日日曜日

隣に座った女性が『ふたたび、ここから』を読んで泣いていた

自分が関わった単行本が、書店に置かれ、
並べられた書棚から背表紙を引き出す……

小さな頃、物書きになりたいと思ってから、
ずっと描いていたイメージです。

6月18、19日と、編集者を伴い、仙台と石巻の書店を巡ってきたのですが、
書棚どころか、もっとすごい、破格の扱いをしていただいていました。

ふつうの「平積み」でなくて、何冊も並べる形で、
面積を増やしてくださっている書店さんばかりだったんです。
とてもびっくり。つい、拝んでしまいたくなりました。
初めての手書きPOPも経験しましたよ。

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今回伺ったのは、
紀伊國屋書店 仙台店、丸善 仙台アエル店、仙台八文字屋書店、
金港堂 石巻店、ヤマト屋 あけぼの店
(写真は、すべて許可を得て撮影しています)

大量入荷の8割以上が売れた、という店舗もありました。
今回は時間とタイミングの関係で、公式に回れなかった書店もまだありますが、
実は、他のお店も、こっそり、立ち寄らせていただいています。


ところで、滞在したホテルのロビーで、信じられない光景を目にしました。

隣に座っていた女性が「なんだか泣いてるみたいだナー」ってチラリと見たら、
なんと、『ふたたび、ここから』を読んでいるではありませんか!

しかも、ページのめくられ具合からして、私が執筆を担当した付近……

ポプラ社の担当編集者のKさんと、ゼスチャーで
「すごい!すごい!」って合図しあって、感動に打ち震えました。

こんな光景、そうそう出会えないでしょうね。
ありがたいです。うれしいです。幸せです。

これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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2011年6月18日土曜日

東北地方太平洋沖地震/石巻:百か日。花を手向ける手が美しかった

石巻市総合運動公園で行われた、石巻市主催の百か日の慰霊祭に、
始発の新幹線で向かいました。

参列者の皆さんが、白いカーネーションを献花台にそっと置き、
上を仰いでから、うつむき、
ぎゅーっと手を合わせる姿を、レンズ越しに見つめました。

しわくちゃの手、ずんぐりとした手、染みだらけの手、ちっちゃな手……
手向けた花を、そっと、ふっと放す瞬間。
どれも美しかった。

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ある男性が、亀山紘市長にくってかかっていました。
震災後の対応に不満があるようでした。

取材をしていると、
みなさんの行政や首長への不満はとても大きいので、
もっとそんな人がいるかと思って注意していましたが、
直接不満をぶつけた人は、約1500人とされる参列者の中でたったひとりだけ。

疲れも、いらだちも、高まっている時期なのに、
東北のみなさんは、とても我慢強いんだなと、
あらためて確認した気分でした。

花はあっという間に山になりました。

2011年6月14日火曜日

東北地方太平洋沖地震/石巻:夏に網戸がない! 被災地の「臭い」と虫たちのはなし

発災から3カ月が過ぎ、石巻市内でも、だいぶ復興してきている、という声が聞こえてきますが、それは「一部の地域で」と注釈をつける必要があります。市街地でも、水道・ガスがまだ復旧していないような地区が、まだまだたくさんあるのが、3カ月後の現実です。

ここからは、あまりにショックを受けたので、やや勢いで書きます。

いま、万石浦〜渡波〜湊にかけての海・川沿いの一帯の堆積物やがれきから、ものすごい臭いが発生しています。そのあまりに攻撃的な腐臭に、慣れていない私は、毎回激しい頭痛がするほど。一見、重機が辺りを片付けたように見える地区も、壁や木や、落ちている“何か”に、大量のハエがたかっています。目を向ける先には必ず、黒い集団がうごめいている、という状況です。

こんな絶望的に不衛生な環境が、複数の地区にまたがって広がっているのです。点ではなく、面の光景なんです。

驚くのは、そんな地域にも、人々がけっこう暮らしているということ。普通の人が普通に暮らす住宅街のあった場所ですから、津波で地域が丸ごと全半壊となっても、ぼろぼろながら残った家の2階で生活しているのです。地域は、がれきやヘドロを掘り起こす度に、隣近所からまだご遺体が出てきます。

石巻の人たちは、世界一劣悪な環境に住んでいる。私はそう思います。数々の遺体が腐敗していくそばで、ブルーシート1枚を隔てて暮らしているんです。

在宅避難者を取り巻く諸問題は、臭いの環境以外の、別の部分も明らかになりつつあります。こちらは、他で伝える予定です。ともかく、海沿いの地域は、取材をすればするほど、絶句します。

また、石巻では、まだ蚊は発生していませんが、今後、ハエと同じように大量発生すると思われます。破壊され尽くした町はくぼみだらけ、ゴミだらけですので、海水や汚水、雨水がたまり放題です。
ハエや蚊を媒介とする感染症などが心配です。物資を送る支援を続けている方は、ぜひリストの中に、蚊帳、虫除けスプレーや蚊取り線香を入れてください。もはや、途上国支援と同じです。

津波が壁ごとぶち抜いたので、どの家も、窓がありません。もちろん、網戸も消失しています。サッシの工事だって、順番待ち。これから迎える蒸し暑い夏を、どうやってすごしていけばいいのでしょう。避難所に居場所がなくなってしまったり、周囲に気遣って在宅避難を選んだりした人も多いのに。

ひとりでも多くの人に、この最悪な、3カ月の現状を知っていただき、現地で活動している在宅避難者向けのボランティア団体などを通じて、改めて支援の手をさしのべてほしいと思っています。

放射性物質とはまた別の意味で、人が生きていく環境としては、最悪のことが被災地では起きていると感じます。

(被災者の方々に失礼な表現があるかもしれませんが、ありのままの伝えようと言葉足らずに書かせていただきました。また、行政の不全については、この文中ではあえて触れていません)

2011年6月13日月曜日

東北地方太平洋沖地震/北海道地図(株):無償提供期間が延長してるよ! 被災地地図のイラレデータ

以前にも紹介したのですが、
北海道地図(株)さんによる、被災地の地図データの無償提供期間が、
6月末まで、延長されていました。

北海道地図(株)提供期間を延長いたしました。
震災復興の本格化に向けて、紹介地図データの提供期間を延長いたします。
この地図データ素材がデザイン・印刷・出版のノウハウを持つ方々によって利用され被災地に必要な情報が届けられる一助になればと願っております。
ここのすごいところは、
イラストレーターのパスが全部残ったデータを提供していることです。


3月23日リンク:東北地方太平洋沖地震/被災地の地図をイラレデータで無償提供する北海道地図(株)の心意気


余談ですが、つい最近、地図業界での「常識」として聞いた話なのですが、
販売地図の場合、どのページにも“差し支えのない間違い”がわざと存在するそうです。
コピーでの、無断使用を避けるためなんだそうですよ。

北海道地図(株)さんがそうなのかは、わかりませんが、
心意気を買って、きちんと条件を守って使いましょうね。

東北地方太平洋沖地震/ラジオ石巻出演。そして、避難所で人探しのワケ

ラジオ石巻に出演してきました。
局長さんによるインタビューで、
石巻のルポ本「ふたたび、ここから」(ポプラ社)のことや、
私たちの被災地取材のことをお話しさせていただきました。

コミュニティFMのラジオ石巻は、いま、市内で最も聞かれている放送。
本当に、どこに行っても、かかっています。
震災で、みなさんラジオでのつながりが、身に染みてわかったんですよね。
全国から送られてくるラジオを局で配布するたびに、
すぐさばけてしまうとのことでした。

市内の本屋さんをいくつか巡ったのですが、
「ふたたび、ここから」(ポプラ社)は、びっくりするくらい、
どこもどーん!と扱ってくださっているんです。

金港堂 石巻店では、レジ前の棚2段に、だだだーっと並べてくださっていました。
ヤマト屋(TSUTAYA)書店 あけぼの店では、
震災本コーナーに巨大なタワーのように積み重ねていただいていました。
未来屋書店イオン石巻店では、入り口の話題の新刊本コーナーにずらり。

恐縮です。ありがとうございます。
仙台では、自分の目の前で買ってくれた人も見ました。

実は、本の中に登場する何人かの方には、献本ができていません。
集落に呆然とたたずんでいたところ、取材に協力してくださったのでしたし、
そもそも家を失った方には、電話番号や送り先がなかったのです。

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今回の石巻入りで、取材の合間に避難所を巡り、みなさんを探しています。

現時点で、女川町と北上町十三浜で計3名を探し出し、
無事に本を手渡すことができました。

埼玉に移ることを決めた一家。
石巻市街地で暮らし始めた人。
集落でたった4軒だけ残った家に住んでいる人。
みなさんの「その後」の話を聞くと、胸がぎゅっとします。

北上町十三浜の追波地区で、首輪を外して助かった犬、リーチくんとも再会したよ。

2011年6月12日日曜日

東北地方太平洋沖地震/石巻:日和山のカフェ「かざみどり」がバラの園になっていた!

大震災から3カ月の2時46分は、石巻市立門脇小学校前で黙祷し、
日和山公園に登りました。

坂を上がっていくと、日和山公園のすぐ手前にある喫茶店「工房 かざみどり」が、
バラの見頃を迎えているのを発見!
辺りはバラの香りが、ほのかにただよっていましたよ。



ここのバラは、名物らしく、
例年、近くの老人ホームから、車で見学に来るそうです。
本当にオアシスみたいなところです。

公園の園庭などと違って、
道路沿いに車を走らせるだけで、花見ができますものね。
店長さんは、「今年はどうなのかなぁ」と心配そうに言っておられました。

むこう1カ月は見頃だそう。
7月上旬頃までは、時期をずらして次々と違う種類のバラが咲くとのことでした。

かざみどりの手作りシュークリームは、
雑誌などのスイーツ特集でもたびたび取り上げられるほど、
全国区で有名なんですよね。
震災後も、あるオフィスサプライ系の大手企業から、
「被災地応援」で、大量発注があったとか。

私のおすすめは、一番人気の「濃厚レアチーズシュー」なんだけど、
店頭では、すぐ売り切れちゃう。
「いいチーズ使ってるんですよ〜」と自慢してました。

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他にも、ずんだ味とか、カフェオレ味とか、
チョコ味とか、かざみどり発祥の、
いろんなオリジナルシュークリームが
たくさんあります。

宅急便のクール便も再開したので、
もう、全国に発送が可能になったみたいです。


シュークリームのお取り寄せ「かざみどり」
http://sweets-kazamidori.com/
TEL:0225-94-5714(9:30〜18:00)

2011年6月11日土曜日

東北地方太平洋沖地震/3カ月の現実

東日本大震災から、3カ月経ちました。

3月、4月に比べると、瓦礫の撤去が進み、
「うわーここも片付いたね!」という地点が増えてきました。



また、インフラの復旧も進んで、
石巻の飲食店も、再開したところが少しずつ増えてきています。
まだ寿司屋には行ってないですが、
石巻でのれんを掛けてるところをいくつか見かけましたので、
近々いずれかに立ち寄ってみたいと思っています。

でも、まだ「復旧」に至っていない地域もたくさんあるのが現状です。

松島ある地域では、海辺の住宅地が、重機も入らずに手つかずで放置されたままでした。

石巻の鹿妻地区では、行政のアナウンスカーすら来ないため、
市街地ながら「見捨てられた地域」になっており、
いまだ水道の通ってないなかで、大規模半壊の住宅の2階に暮らす人々がいます。

生計主を失ったため、配給を求めて避難所をはしごする人があちらこちらにいます。

魚の腐臭がただよい、大量のハエが飛んでいる所もあります。

そんな地点がまだたくさんあります。
でも、みなさん、そこで暮らしているんです。
これが被災から3カ月の現実です。

翻って、都内のある雑誌の編集部では、
編集方針を巡って意見が真っ二つに割れている、という話も耳に入ってきました。
「復興モード」派と「復旧すらまだまだ」派で、対立しているというのです。

被災した人々の話を聞いたり、被災地を五感で感じてきた人と、
一度も現地に赴いたことのない人では、トーンが違うのは理解できますが、
社会的な使命のあるメディアが、
被災者の直面している現実から目を背けないよう願うばかりです。


私自身の使命は、
被災地にまなざしを向け続けることと、
未来と世界に向けてここで起きていることを記録することだと思っています。

2011年6月10日金曜日

使わないアメニティのぶんを、森林保全活動の寄付に

被災地の取材が続いています。
先日は、仙台の三井ガーデンホテルに泊まっていたのですが、
とてもキレイで快適なところなのだけど、
「震災及び余震を考慮して」サービスの制限があって、
とくに、コインランドリーが使えないのは残念でした。
どんな小さなビジネスホテルでも、それだけはちゃんとしてるのにな……。

まもなく東日本大震災から3カ月ですが、
被災地周辺では宿泊施設がほとんど満室の日々が続いています。
仙台は特に、です。
我々も、取材の度に、どこに泊まれるか、綱渡り。
これまで、温泉旅館や、民宿みたいな所に泊まったりもしました。

ところで、三井ガーデンホテルで、おっ、と思ったエコサービスがありました。



歯ブラシや石けん、カミソリなどのアメニティを一つも使わないと、
森林保全活動をしている団体に寄付してくれるというもの。
アメニティの側に置かれていました。
「&EARTH」と書かれたカードをチェックアウトの持って行けばいいのです。

三井ガーデンホテル:【ecoガーデンカード】による寄附実施のお知らせ
客室のアメニティボックス(トレイ)にセットしているアメニティを1つも使用されない場合に、「ecoガーデンカード」をフロントにお持ちいただきますと、お客様に代わってホテルから地球保全活動基金団体に寄附させていただきます。
http://www.gardenhotels.co.jp/corporate/environment/
平成22年度は、47万円近く寄付したみたいですよ。

歯ブラシや身繕いのための必需品は
たいてい持ち歩いているし、
私の場合、アメニティグッズって
使わないんですよね。

いただいて帰っても、家でも結局使わないののは、
我が家に山のように保管されている、
世界各国のホテルのアメニティグッズが
証明してくれております。

これはやはり、「手つかずです」と表明しておいて、
他の人に使っていただく方がいいわけですね。

ということで、何がなんでもフロントにカードを持って行ってチェックアウトしようと、
流しの水滴すら飛ばさないように、
キレイにバスルームを使用させていただきました。

2011年6月1日水曜日

新刊のお知らせ/石巻を取材した入魂のルポ本「ふたたび、ここから」が出ます

ジャーナリストの池上正樹さんと、ライターの児玉奈保美さんと一緒に、
震災後の石巻を取材して歩いたルポ本が、
ポプラ社から出版されます。
書店に並ぶのは6/6頃からとのこと。

ふたたび、ここから



著者は池上さん。
私は、表紙を含めた全ての写真を担当し、執筆でも協力しています。

表紙は石巻市立門脇小学校です。
取材エリアは、門脇町、南浜町、日本製紙、石巻赤十字病院、伊原津、渡波、牡鹿半島、北上町十三浜、釜谷(大川小学校付近)、女川、日和が丘、石巻焼きそば(八鶏飯蔵)、日高見(平孝酒造)、こども避難所クラブ、フェアトレード東北 など。

被災地にいて、いましか掴めないこと、
いまに生きる自分が、未来のために残すべきこと、
物書きで写真家の自分だからこそ見つめられること、
いつもそう意識しながら、皆さんのお話を聞かせていただきました。

実は、いまでもまだ、この本の取材を続けている夢を毎日見ます。

本に登場する方々は、
もうとっくに違う方向に歩み始めているかもしれないですし、
いまだ立ち上がれずに途方に暮れているかもしれません。

被災地での“被災”の暮らしは、現在進行形。
時間の経過と共に取り戻せたこともあるでしょうが、
依然ままならないことだらけの被災地で、
これから何が起きていくのか、
長く見つめていかなくてはいけないと思っています。

私たちの取材も、また別の形で、石巻以外にもまだ続きます。
石巻には、6月8日からまた、池上さんと入る予定です。

ふたたび、ここから東日本大震災・石巻の人たちの50日間
ふたたび、ここから
(ポプラ社)
池上正樹 著 ¥1,575